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2010.04.05
第 5回 「あなたは利息を払い過ぎていませんか?」(過払い金問題:第1回)

弁護士の澤田です。

最近、電車の中吊り広告やテレビCMなどで、「過払い」という言葉を
よく見聞きしませんか?「過払い」とは、消費者金融などから借金を
した際に支払う「利息」を払い過ぎている状態のことをいいます。
過払いの状態になるのは、借金をする際に設定された金利が、
利息制限法という法律で定められた「法定金利」よりも高い場合です。

お金を貸し付ける場合の上限金利は、 利息制限法という法律で
10万円未満の場合は20%、10万円以上100万円未満の場合は18%、
100万円以上の場合は18%以下と決まっています。
また、29.2%を超える金利は出資法という法律で犯罪になります。

一方で、貸付けや返済の際に一定の条件をクリアしていれば
貸金業者であれば、「29.2%までの金利であれば貸付をしても良い」
という法律(貸金業法)も併存していました。

しかし、貸金業法の条件をクリアしていなくても、
29.2%を超えない限り、「違法」であっても「犯罪」ではないため、
したがって貸金業者は、利息制限法の制限は超えるけれども
出資法で定められた29.2%を超えない金利で
できるだけ高く金利を設定していたのです。
そんな法律の曖昧な境界線を利用して設定された高い金利を
「グレーゾーン金利」と呼んでいます。

現在ではグレーゾーン金利での貸付けを違法だとする判例が
たくさん出ていることから、
ほとんどの業者が法定金利の範囲内で
貸付を行うようになってきていますが、
ほんの数年前までは、25~28%などの高い金利が
普通にまかり通っていたのです。

これまで、金融業者は法定金利を超える金利を設定してお金を貸し、
借りる側は金利を意識することもなく借りていたというのが実情です。
利用者にとっては、やはり目先のお金が大切です。
「とりあえず、○○万円が必要だ...」ということになれば、
金利など気にしていられません。むしろ気になるのは、毎月の返済額。
「毎月2万円ずつの返済をお願いします」という金融業者の言葉通りに
返済を続けていくことになります。

ところが、何年か経ってから「借金がいっこうに減らない」
ということに気が付きます。それは、本来は支払う必要がないほど
高く設定されたグレーゾーン金利の影響が大きいからです。
金融業者の言葉通りに最低限の返済を続けているような場合、
利息分のみを支払っているに過ぎないことが多く、
肝心の元金が減っていかないのです。

実は、金利が28%という条件で借金をして、利息だけを6~7年間も
返済を続けていた場合ですと、「払い過ぎた利息だけで元金が消える」
とまでいわれています。つまり「過払い」とは、元金の返済はとうに
終わっているにも関わらず、借金を何年も払い続けている状態です。

元金の返済は既に終わっているのに、そのことを知らずに、
10年以上も返済を続けているという方も、たくさんいらっしゃいます。
「利息分しか返していないから、元金がまだまだ残っている」
と考えて返済を続けている方が多いのです。

また、消費者金融のちょっとした罠にはまってしまい、
借金や過払いの額が大きくなった方もいます。

元金がいくらか減ってきた頃に消費者金融のATMに足を運ぶと、
画面上に「○万円の出金が可能です」と表示されることがあります。
この表示は実際のところ「あと○万円まで借金ができますよ」という
意味なのですが、「出金」という言葉が使われているために、
「自分のお金が引き出せる」と思い込み、借金を重ねてしまうのです。

このような罠にはまると、常に利用限度額の上限いっぱいまで
使っている状態になり、利息だけを延々と払い続けているのと
同じ状態になってしまいます。

もう一つのケースは、キャッシングなどの利用限度額が30万円まで
だと思っていたのに、ある日突然「あと20万円出金できます」と
表示されることがあります。利用限度額が上がっているのです。

真面目に返済を続けた結果、金融業者から「優良顧客」と判断され、
利用限度額が上がるのです。それは、とても便利なように感じますが、
実際には「もっと借りてください」というメッセージなのです。
そのような誘惑に乗ってしまうと、知らず知らずのうちに借金や
過払いの額が雪だるま式に膨らんでいきます。

次回も引き続き≪過払い金問題≫に関するお話しです。

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