今回のテーマ
親子終活
近年よく耳にする「終活」ですが、実際に取り組もうと思っても、なかなかきっかけがつかめず先延ばしにしてしまう方も多いようです。
今回は、そんな終活を「親子で一緒に進める」という新しい視点をご紹介します。
資産や預金の管理からデジタル財産、コレクションや思い出の品まで、親子で一緒に取り組むことが、円滑に終活を進める大きな助けになります。
生前の形見分けやエンディングノートの活用についても解説します。
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澤田弁護士 今日は「終活」、いわゆる人生の終わりを見据えた活動についてお話しします。
実は、当事務所の伊藤勝彦弁護士が「親子就活」の本を出版したんです。 -
親子就活という考え方は新しいですね。
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澤田弁護士 従来は一人でエンディングノートを書いたり黙々と準備を進めるイメージですが、この本では「親子で一緒に就活をする」ことを勧めています。
どうしても先延ばしにしてしまう終活ですが、親子で取り組めばきっかけをつかみやすいんです。 -
確かに、元気なうちは「まだ先のこと」と思ってしまいますね。
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澤田弁護士 ところが突然の病気や倒れて意思表示ができなくなると、預金もすぐに凍結されてしまいます。
例えば定期預金や投資信託があっても、ご本人の意思確認ができないと銀行は動かしてくれません。 -
そうなると、ご家族が「父のために使いたい」と思ってもすぐには動かせないんですね。
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澤田弁護士 成年後見制度を利用しなければならず、家庭裁判所に申し立てをして後見人を選任してもらう必要があります。
専門職が選ばれれば報酬も必要になりますし、ご家族にとっても大きな負担です。
だからこそ、元気なうちに任意後見契約などで備えておくことが大切なんです。 -
最近はデジタル資産も増えていますよね。
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澤田弁護士 ネット銀行やネット証券、電子マネーなどもスマホだけで完結してしまう時代です。
郵便物が来ないことも多いので、家族が存在に気付かず、そのまま失われてしまうケースもあります。 -
子どもから親に資産状況を聞くのは、ちょっと切り出しにくいですよね。
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澤田弁護士 まさにそこが「親子就活」のポイントです。「今こういう本が出ているんだよ」と話題にしながら、エンディングノートや簡単なメモから始めれば自然に会話ができます。
立派なノートを買わなくても、手帳やルーズリーフでも構いません。
情報の整理から始めることが大切です。 -
物の整理も大事ですね。
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澤田弁護士 特にコレクション類は残された家族が困ることが多いです。価値あるものなら自分で引き取り先を探しておくのが理想ですし、思い入れのある品は生前に子どもに渡す、いわゆる「生前の形見分け」をしておくのも良い方法です。
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親子で話し合いながら「これを受け継ぐ」と決めておけると安心ですね。
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澤田弁護士 終活は「亡くなってからの準備」ではなく「生きているうちに人生を整理すること」です。
親子で一緒に取り組むことで、お互いの思いを共有しながら前向きに進められます。
みお綜合法律事務所でもご相談を承っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
みおのまとめ
さらに、ネット証券や電子マネーなどデジタル資産も家族が把握できずに失われてしまうことがあります。
そのため、元気なうちにエンディングノートやメモで資産状況を整理し、親子で共有しておくことが大切です。
また、骨董品やレコードといったコレクションや思い出の品も、生前に「形見分け」として渡しておけば、価値を理解する人に託すことができます。
終活は「死後の準備」ではなく「生きている今を整える作業」です。
親子終活に関心を持たれた方は、ぜひ「みお」にご相談ください。