今回のテーマ
相続についての基礎知識〜その1〜
相続は突然訪れるものですが、いざというときに慌てないためには事前の準備が大切です。
今回は、意思疎通が難しくなったときの遺言の作成可否、法定相続の仕組み、相続人の範囲、そして事前にできる準備について、具体的な事例を交えて詳しく解説します。
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澤田弁護士 今日から3回にわたって相続のお話をしようと思っています。
やはり遺言に関心を持つ方は多いようで、6月号の京都府民だよりに「遺言を作ろう」という広告を載せたところ、たくさんのお申し込みをいただきました。 -
やっぱり遺言に興味はあっても、なかなかきっかけがないという方が多いんですね。
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澤田弁護士 そうなんです。講座をきっかけに「やってみようかな」と思われる方が多いんですよ。
先日も、こんなご相談がありました。
「夫が脳出血で倒れて、入院して意思疎通が難しい状態です。呼びかけにはうなずきますが、自分から意思表示ができません。このまま亡くなったらどうなるのでしょう?今から遺言は作れますか?」という内容でした。 -
それは心配になりますね。そういった状況でも遺言は作れるんでしょうか?
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澤田弁護士 もうペンを持って書くことは無理ですし、意思疎通が難しい状態では遺言書の作成は基本的に無理なんです。
発語ができなくても、筆談などで意思疎通ができれば公証人に来てもらう方法もありますが、今回のケースでは難しい状況でした。 -
遺言がない場合、相続はどうなるんですか?
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澤田弁護士 遺言がない場合、法定相続になります。
まず、配偶者は必ず相続人になります。
第1順位は子どもです。お子さんがいればそのお子さんが相続人、亡くなっていればお孫さんが相続します。 -
お子さんもお孫さんもいない場合はどうなるんですか?
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澤田弁護士 その場合は第2順位として親になります。
さらに親もいない場合は第3順位として兄弟になります。
兄弟が亡くなっていると、その子ども、つまり甥や姪が相続人になります。 -
「子どもがいないなら奥さんが全部相続する」と思いがちですが、そうではないんですね。
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澤田弁護士 そうなんです。
さらに、前妻との子どもや認知した子も相続人に含まれます。
ですので、まず相続人の範囲を確認することが大切です。
戸籍を取り寄せることで、過去の結婚歴や認知した子の有無がわかります。 -
今できる準備としては、どういったことがあるんでしょう?
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澤田弁護士 財産や借金のリストを作っておくことが大切です。
相続財産には負債も含まれますので、事前に整理しておけば慌てずに済みます。 -
遺言がないと、相続手続きは大変なんですよね?
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澤田弁護士 相続人全員で遺産分割協議を行い、協議書を作成して銀行口座の解約や不動産の登記をします。
相続税がかかる場合は10カ月以内に申告が必要です。 -
相続人が多かったり、連絡がつきにくい場合は特に大変そうですね。
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澤田弁護士 全員の印鑑証明書が必要になるため、調整が大変です。
そういったときは弁護士が代理で交渉できますので、直接話をしなくても手続きを進められます。 -
みお綜合法律事務所では、相談の機会を設けているんですよね?
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澤田弁護士 10分間の無料電話相談を実施しています。
気軽にご相談いただき、その後必要なら正式な面談も可能です。
相続でお悩みの方は、ぜひ、みお綜合法律事務所にご相談ください。
みおのまとめ
特に、事前に戸籍や財産の確認、リストの作成といった準備が重要であることを具体的に解説しました。
相続は財産だけでなく、負債も含まれるため、思わぬトラブルを防ぐためには、早めの対応が不可欠です。
万が一のときに慌てないように、日頃から家族間で話し合いをしておくことが大切です。
相続についてお悩みや不安がある方は、みお綜合法律事務所にご連絡ください。