今回のテーマ
相続の基礎知識
相続は誰もが直面する問題ですが、その手続きの複雑さから不安を感じる方も多いと思います。
誰が相続人となるのか、どのように財産を分割するのか、遺言の種類と効力など、知っておくべき基礎知識は数多くあります。
今回は、相続の基本的な仕組みと、トラブルを防ぐためのポイントについて解説します。
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澤田弁護士 今回は相続の基礎知識についてお話ししたいと思います。
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相続というと、やはり身近な問題ですよね。
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澤田弁護士 そうですね。
まず、人が亡くなりましたら相続という法律関係が発生します。
その人の財産や債権、借金や未払金などの債務関係を、そっくりそのまま相続人が引き継ぐことになります。
これを包括承継と言います。 -
では、誰が引き継ぐことになるんでしょうか?
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澤田弁護士 それが法定相続人というものです。
民法で決まっているんですが、まず覚えていただきたいのが、配偶者です。
入籍している配偶者は必ず相続人になります。
内縁関係の場合は少し事情が違ってきます。 -
配偶者以外にはどなたが相続人になりますか?
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澤田弁護士 まず子供がいる場合は、配偶者と子供が第一順位になります。
子供がいない場合は配偶者と被相続人の親になりますね。
さらに、親も亡くなっている場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。 -
例えば子供さんが既に亡くなっている場合はどうなるんですか?
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澤田弁護士 その場合、子供さんに孫がいれば、代襲相続として孫が相続人になります。
兄弟姉妹の場合も同じような考え方になります。 -
なるほど。でも最近は再婚されている方も多いですよね。
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澤田弁護士 それが複雑なケースの一つです。
前の配偶者には相続権はありませんが、その子供には相続権があるんです。
このあたりから、少し込み入ってきますよね。 -
相続が始まったら、まず何を確認すればいいんでしょうか?
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澤田弁護士 まず大事なのが、遺言があるかどうかの確認です。
遺言には主に二つの種類があって、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。 -
その二つには違いがあるんですか?
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澤田弁護士 自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要で、法定相続人全員に通知が行きます。
一方、公正証書遺言の場合は検認手続きが不要で、法務局や公証役場で検索できるんです。 -
遺言がない場合は、どのように財産を分ける割合を決めるんですか?
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澤田弁護士 法定相続分というものがあります。
例えば、配偶者と子供の場合、配偶者が2分の1、子供たちで残りの2分の1を分けることになります。
具体的に言うと、子供が2人いる場合、それぞれが4分の1ずつということになりますね。 -
その割合は絶対に守らないといけないものなんですか?
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澤田弁護士 いいえ、それは話し合いがつかない場合の基準と考えていただければいいと思います。
例えば、子供たちが「お母さんに全部あげましょう」と合意すれば、そうすることもできます。 -
相続で特によく揉めるのは、どんな場合なんでしょうか?
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澤田弁護士 よくあるのが、不動産など現実に分割が難しい財産がある場合です。
また、誰かが財産を隠しているんじゃないかと疑われるケースもあります。
相続人同士でコミュニケーションが取れない場合や、相続人の所在がわからないというケースも少なくありませんね。 -
そういう場合は、やはり専門家に相談した方がいいんでしょうか?
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澤田弁護士 法的な考え方に基づいて整理できる弁護士に相談することをおすすめします。
お困りの際はぜひ「みお」にご相談いただければと思います。
みおのまとめ
「まだ先のこと」と思われがちですが、いざというときのために、ご自身の財産をどのように引き継いでいくのか、家族間で十分に話し合っておくことをおすすめします。
お困りの際は、ぜひ「みお」にご相談ください。